2008年4月、信濃千曲川通信社では2001年4月より愛用していた旧しなちく1号の置き換えが行われた。旧しなちく1号があまりにもキュートで満足度の高い車だったので当分は代替車は見つからないだろうと思っていたのだが別れの時は突然に訪れた。

 2006年秋、しなちく家では家族旅行と称して紀伊半島方面へと出かけた。その際旧しなちく1号の高速道路上での走行性能に不満が出た。もっと加速性能や高速巡航性能が良ければ400kmにおよぶ高速道路の旅がずっと楽なのだろうな・・・さすがにマイルドチャージ付きとは言え660ccエンジンの軽である。限界時の動力性能には不満が残る。それからしばらくしてダイハツムーブがフルモデルチェンジをした。室内の広さ、動力性能の高さ、燃費の良さ(カタログ上だが)、どれをとってもしなちく1号の上を行っている。ダイハツもいよいよ本格的にCVT車の製造に本腰を入れたようだ。個人的に軽の4AT車は相当に燃費を犠牲にしているようで好きになれないのだ。そして旧しなちく1号がCVTでありその性能の良さに感心していたので「軽オートマはCVT」というのが家訓になっていたのである。
 しかしダイハツもCVTの生産が本格的に軌道に乗っていなかったようでターボ車でCVT付きは過剰装備の最上級グレードのみというラインナップであり、またターボグレードであるムーブカスタムの容姿が可愛らしいしなちく1号と比べたときにあまりにも無愛想すぎるということもあってしなちく1号をムーブに置き換えという話は棚上げになったままであった。
 翌2007年夏、今度は家族でキャンプに出かけるようになった。そうすると今度はしなちく1号の荷物積載性能に不満が出た。ただでさえ広くない荷室にはチェンジャータイプのカーナビ本体まで積まれていたため、キャンプ道具を積み込むと空いているちび子の隣席(後部左側)まで荷物満載状態だったのだ。そんな時発見したのがスズキエブリイだったのだ。5ナンバーワゴンのターボグレードには4ATの設定しかなくその時点ではまったく購入候補車ではなかったのだがついでに覗いた4ナンバー貨物車のカタログを見るとターボ5MTの設定がありそのグレードの車の装備がワゴンと比べても全く遜色ないもので自家用車仕様に於いても全く不備のないものだったのだ。貨物車でありながらしなちく1号の装備よりはるかに豪華であったのだ。しかしそんなエブリイにも弱点はあった。どんなに各種性能的に優れていてもビジュアル的にはただの「軽貨物車」だったのだ。キャンプ場の緑に映える黄色のしなちく1号と比べるとあまりにも無機質な箱形デザインはゆるせないものだったのだ。
 さらにそれからしばらくして今度はカスタムメーカーのホームページでエブリイを可愛く改造してしまうというのを発見した。これはすばらしい!と躍起したものだが、お値段が可愛くはなかった。当時外国為替証拠金取引(FX)で巨額の含み損を背負っていた信濃千曲川通信社ではとても支払う気にはなれない金額だったのだ。
 そのまま年を越して2008年新春のある日、同じカスタムメーカーのホームページ上にこのようなユーザーが紹介されていた。このお方には(敬意を込めて"お方"と呼ばせていただきたい)驚いた。世の中にはこのようなタネ車があったのか、そしてこの手があったのか!! 
 激しく感銘し動揺し感化されネットでいろいろ調べた。このお方のタネ車はフィールドライフ社で販売されている「コング」という車であった。そしてエブリイピックアップとしてはキャンピングカー広島社製の「ピクニック」という車が(局所的に)世に知られていた。そしてカタログ請求などして更に深く調べていくと信濃千曲川通信社での使用用途に於いては車中泊性能のみを重視し車内装備をほぼエブリイのまま残した「ピクニック」の方が合っているいうことが分かった。
 ピクニックのメーカーはキャンピングカー広島というその名の通り広島県の山中にある会社でとても長野ふんだりから買いに行けるところではなかったのだが先述した「コング」を製造販売している群馬県渋川市のフィールドライフ社に於いても代理店販売していることも分かった。
 試算をしてみる。ピクニックを購入。ピコットへ改造する。ついでにカーナビを新しくしてETCもつけよう・・・チン!お会計は○○○万円になります。アルファードすら買えてしまうようなお値段になってしまったのだ。うむむ非現実的な値段となってしまったなあと嘆いたいたところ意表をついて妻しな子がその話に賛同を表明し更に買うのであれば今しかない。今なら多少納期がかかっても夏には間に合う。しなちく1号の車検が4月に切れる。車検を通せば最低1年以上は乗り続けることとなり、モタモタしているとちび子が保育園を卒園してしまい家族で遠出できなくなりそのような車を買う理由が無くなってしまう。すなわちちび子が卒園するまでの3年間を今以上に楽しく過ごすには「今」購入に踏み切るしかない。このタイミングを逃すのであれば永久に買う必要はないといった趣旨のことを言うのであった。
 夫の暴走を妻が加速させる結果となり2月中旬フィールドライフ社へ家族で出向きその場で契約を済ませ納期約2ヶ月、4月上旬にしなちく1号の車検は切れて売却され信濃千曲川通信社では車のない生活が少々あったが4月28日無事に納車された。

ごらんのように至ってノーマルな外観。ポップアップ部も帽子をかぶせたような感じではなくどちらかというとカツラをかぶしたような感じである。さりげない感じは大変好感度が高いのだが、電気屋さんの車と間違われてしまうのが悲しい。
色をブラックなどにすればだいぶ印象が違うと思うが、ピコットにカスタムする予定であったので白にした。
ちなみにJOIN TURBO 4WD 5MTベースで車検証の数値が全高191cm 乾燥重量1060kgであった。それぞれタネ車に対して35mm 100kg増の数値である。+100kgというのはさすがに重い、補強等をしっかりしてあると解釈するべきなのだろう。
ホイールキャップは純正のグレーで平ぺったいやつからこの「ミケロッティ・ディーン」風のやつへと交換された。
エブリイバンの純正タイヤは145R12であるがディーンの12インチサイズは現在販売されていない。よってこれを履かせようと思ったら13インチへインチアップしてタイヤごと交換ということになるのだが、これは新品の純正タイヤを捨てるということにもなり、不経済きわまりない上に貨物車には貨物車用タイヤを履かせないと車検を通らないとの噂もありディーンを履かせるのはあきらめていたところこれにそっくりな「パチもの」ホールキャップが販売されているのをネットで知り早速購入した。
これで見た目もばっちり、純正タイヤも無駄にならず、お値段も1/10で済んでお財布も大喜び。
なお貨物用タイヤは耐荷重性に優れるがカーブなどでのグリップ力が弱く運転には注意が必要。走行ノイズも大きく乗り心地も硬め。冬用タイヤは乗用車用の13インチ品を購入する予定。
ポップを上げるとまぎれもなくKキャンカー。布地が厚手で曲面裁断してあるのでシワが少なく美しい。またダンパー類もテント内側に装着されているのでポップはホントすっきりしている。ダンパー類が風雨に直接さらされることがないのは耐久面からもよいのではないだろうか。
後ろから見るとこんな感じ。
生地はこんなオレンジ色のやわらかい生地だ。合成素材であろうがなめした皮のような柔らかい手触りである。「高級」を謳っているだけのことはある。
テントの裾はこんなふうにマジックテープと四隅のビスで留められている。
マジックテープ留めとはちょっといいかげんなのでは?と思われるかもしれないがけっこうしっかりしており、無理に剥がそうとしなければまず剥がれない。
また、ルーフの外側よりこのように生地が取り付けてあるのでテント内部に結露が付着したときでもたまった露はマジックテープの隙間から外に排出されテント内部の隙間等に溜まったり床を濡らしたりということはないと思われる。
2階部分内部前方にはテント地両サイドを渡すコードがある。もちろん就寝時邪魔にならないようにコード中央で切り離せるのだがポップを仕舞うときにはこのコードを軽く引きながらテント地を内側に引き込みつつポップを下げる。それでも若干のはみ出しが出てしまうのでポップを「下げ位置」で固定する前に車外を一回りしてはみ出した生地を手で押し込んでやる。
ご覧のような感じでだらしなくはみ出す。片手でポップを押上ながら生地を押し込むとすんなりとキレイに入る。ポップの「下げ位置」での固定はこの作業が済んでから。
ポップの下げ固定はこの緑色のコード2本のみで行う。もっとちゃんとした固定金具のようなものがあるのかと思ったら案外簡素。しかししっかり留まるので機能的には問題ない。壊れたりしたときの修理が楽かも。コードの先端が柔らかくてバックルに入りづらかったので瞬間接着剤を先端部に染みこませ先を硬くした。右側のオレンジのコードは収納時にテント地が垂れ下がらぬよう上に固定するコードである。
しかし結露等でテント内側が濡れた状態で収納するとテント地の弛んだところから車内へと水滴が落ちてしまう。そこで・・・
収納したテント地がいちばん弛むコーナー部分に「コーナー支え」を作ってコーナーを持ち上げてやった。
第1回目の車中泊が雨であり、朝濡れたままポップを収納したら弛み部分からの水滴落下現象に見舞われこれを作ったのだが、以降テントが濡れたまま収納するような事態には遭遇しておらず実際の効能の程は定かではないが効果抜群と思っていたい。
これがこのコーナー支え。端材を組み合わせて最後にペンキを塗って完成。ネジの部分の出っ張りが車体枠にうまく噛んで落ちないようになっている。
後日、テント地の弛み中央部も持ち上げるために渡し板も作製した。

つづいてベッド下段部分を中心に